店舗の移転・改装休業とGoogleマップ|口コミを残す設定の順番
この記事でわかること
- 移転のときに新しいビジネス プロフィールを作ってはいけない理由と、公式ヘルプが指示している代わりの方法
- 「臨時休業」と「閉業」が公式ヘルプのどの文脈で出てくるか、改装休業はどちらの話に近いか
- 誤って閉業として表示されたときに、店側で確かめられること/公式ヘルプに手順の記載がないこと
- 移転後も旧住所が残りやすい場所と、点検の順番
Googleの仕様に触れる箇所は、2026年9月22日時点の公式ヘルプを開いて確認した内容です。確認したのは「重複するプロフィールと所有権に関する問題を解決する」と「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」の2ページで、この2ページに書かれていないことは「記載がない」と明記しています。
移転のときに新しいプロフィールを作らない理由
移転しても、新しい拠点用にプロフィールを作り直すのではなく、いま持っているプロフィールの住所を更新します。これは公式ヘルプが明示的に指示している方法です。新規作成は重複と判断される可能性があり、重複と見なされたプロフィールは検索やマップに表示されなくなります。
公式ヘルプには「ビジネスが移転した場合は、新しい拠点のビジネス プロフィールを新しく作成しないでください。代わりに、既存のプロフィールを新しい住所に更新してください。」とあります(重複するプロフィールと所有権に関する問題を解決する)。前提として「ビジネスごとに作成できるビジネス プロフィールは 1 つだけです。」とも書かれており、同じページには「プロフィールが重複と見なされた場合、Google 検索やマップに表示されなくなります。」と、重複時に起きることが記載されています。
口コミの観点で整理すると、次のようになります。
- 既存のプロフィールを更新する方法なら、プロフィールそのものが続きます。そのプロフィールに付いている口コミは、そのプロフィールのものとして残ります。
- 一方、新しく作ったプロフィールに旧プロフィールの口コミが移る、という記述は公式ヘルプにありません。「引き継ぎ」という機能名の設定も、確認した2ページには出てきません。
- すでに重複を作ってしまった場合の統合については、「2 つのプロフィールを統合すると、クチコミは統合されますが、クチコミへの返信は失われる可能性があります。」と書かれています(同ページ)。統合しても返信が残る保証はない、という点は移転計画の段階で知っておく価値があります。
つまり「作り直さない」こと自体が、口コミを守るいちばん確実な手順です。重複が生じたあとの復旧手順は、当サイトの別記事「Googleマップに同じ店が2つ出るとき|重複の統合手順と口コミの扱い」で扱っているため、ここでは深追いしません。
なお住所を切り替える前提として、公式ヘルプには「Google に住所を掲載する場合、その住所に、ビジネスの名称の掲示を常設する必要があります。」という条件があります(Google に掲載するビジネス情報のガイドライン)。移転先の看板が出ていない段階での住所変更は、この条件を満たしません。
改装休業は「臨時休業」、閉業マークが出てくるのはどんな場面か
再開する予定があるかどうかが分かれ目です。公式ヘルプで「臨時休業のマーク」が出てくるのは季節営業の説明の中で、再開したら通常の営業時間に戻す運用として書かれています。「閉業マーク」が出てくるのは、名称変更の基準を満たさず新しいビジネスとして扱われる場面です。
確認できた記述は次の2か所です。
| 用語 | 公式ヘルプの記述 | 出典ページ |
|---|---|---|
| 臨時休業 | 「オフシーズンの間は、ビジネスに臨時休業のマークを付けることができます。」「ビジネスを再開したら、通常の営業時間を設定します。」 | Google に掲載するビジネス情報のガイドライン |
| 閉業 | 「既存のビジネス プロフィールを閉業としてマークを付けたうえで、新しいビジネス名でビジネス プロフィールを作成する必要があります。」 | Google に掲載するビジネス情報のガイドライン |
注意しておきたいのは、臨時休業マークについて公式ヘルプが書いているのは季節営業の文脈であって、「改装工事による休業でこのマークを使う」とは明示されていない点です。ただし「ビジネスを再開したら、通常の営業時間を設定します。」という一文から、再開を前提とした状態として設計されていることは読み取れます。改装休業に限定した専用の手順は、確認した2ページには記載がありません。
短期間の休みであれば、特別営業時間という選択肢もあります。同ガイドラインには季節営業の説明として「祝祭日、臨時休業、その他のイベントなどの特別営業時間を指定することもできます。」とあります。数日〜1週間程度の休みと、数か月の休みで扱いを分けて考えるとよいでしょう。特別営業時間まわりの実務は、別記事「『営業時間が異なる可能性があります』を消す|祝日・年末年始の特別営業時間」で扱っています。
閉業マークについては、「再開しない」以外にもう一つ用途があります。店名や業種が大きく変わり、名称変更の基準に当てはまらないケースです。ガイドラインには「ビジネス名に含まれている固有名詞やサービスが変わらず、業種の変更もないなど、ビジネス名をわずかに変更する場合、ビジネス プロフィールでビジネスの名称変更(新しいビジネス プロフィールを作らずに、有効な名称を変更すること)ができることがあります。」とあり、この基準を満たさない場合に前述の「閉業としてマークを付けたうえで、新しいビジネス名でビジネス プロフィールを作成する」という扱いになります。閉業マークを付けた場合に、そのプロフィールの口コミがどうなるかについては、確認した2ページに記載がありません。
誤って閉業と表示されたときに、店側で確かめること
営業しているのに閉業と表示された場合の直し方は、今回確認した2ページには手順の記載がありません。そのため、店側で確かめられる事実を順に潰していくのが現実的です。まず、そのプロフィールを自分たちの管理下に置けているかを確認します。
- 誰が管理しているかを確認する。 確認済みのプロフィールがすでにあり、自分がオーナーでない場合について、公式ヘルプは「現在のオーナーにアクセス権をリクエストできます。」と書いています(重複するプロフィールと所有権に関する問題を解決する)。リクエスト後の流れとしては「リクエストから 3 日が経過しても返信がない場合は、ご自身を対象プロフィールのオーナーとして申請できることもあります。」と記載があり、同じページに「ヒント: プロフィールの申請は、常にできるわけではありません。」という但し書きも付いています。
- 第三者の編集提案の可能性を考える。 同ページのオーナー権限リクエストが不承認だった場合の説明に「Google マップでビジネス情報の編集を提案することもできます。」とあり、オーナー以外でも編集の提案ができる仕組みであることが読み取れます。店名やカテゴリが書き換わる話と地続きなので、別記事「Googleマップの店名やカテゴリを第三者に書き換えられたとき|戻し方と予防」も合わせて確認してください。
- 重複が原因ではないかを切り分ける。 同じ店のプロフィールが2つある状態は、片方が表示されなくなる原因になります。明確に別のビジネスなのに統合されてしまったケースについては「2 つの明確に異なる有効なビジネスのビジネス プロフィールが誤って統合されている場合は、重複ステータスの再審査請求についてサポートにお問い合わせください。」と記載があります。ここで請求できるのは重複ステータスについてであり、閉業表示についての再審査請求の記載ではない点に注意してください。
また、重複プロフィールを自分で削除する場合の警告として「重複するプロフィールを削除すると、すべてのコンテンツとリンクされた管理者が削除されるため、正しいプロフィールを削除してください。」と書かれています。閉業表示に慌てて片方を消すと、口コミを含むコンテンツごと失う可能性があるという意味です。表示が乱れているときほど、削除は最後の手段にしてください。
旧住所が残っている場所を洗い出す
プロフィールの住所を更新しても、それだけで作業は終わりません。Googleはプロフィール以外の情報源も参照していると公式ヘルプに書かれているためです。移転前に、旧住所・旧電話番号が載っている場所を一覧にしておくと手戻りが減ります。
根拠になる記述は2つあります。「住所表示の方法は、設定していただいたビジネス情報と他の情報源から得たデータを総合的に勘案して Google が判断します。」、そしてカテゴリの説明にある「Google では対象となる事業のウェブサイトや、ウェブ全体の書き込みや評判からも、カテゴリ情報を検出しています。」です(いずれも Google に掲載するビジネス情報のガイドライン)。どのサイトがどう参照されるかまでは書かれていませんが、自社の外に古い住所を残したままにしないほうがよい理由にはなります。
| 点検する場所 | 見るところ |
|---|---|
| 自社サイト | 全ページの住所表記、フッター、アクセスページ、地図の埋め込み、構造化データ |
| 予約サイト・ポータル | 住所、電話番号、営業時間、地図ピンの位置 |
| SNSのプロフィール欄 | 住所、リンク先URL |
| 各種掲載メディア・地図系サービス | 住所、旧店舗名 |
| 店頭・印刷物 | 名刺、ショップカード、看板(移転先に常設されているか) |
ウェブサイトと電話番号については、ガイドラインに「個々のビジネス拠点に直接つながる電話番号を指定します。または、ビジネス拠点ごとに 1 つのウェブサイトを指定します。」とあり、さらに「実際のビジネス拠点とは異なる場所、または実際のビジネスのウェブサイトとは異なるランディング ページにユーザーをリダイレクトする」ような指定はできないと書かれています。移転後も旧店舗ページを指したままにしない、というだけの話ですが、見落とされやすい箇所です。
どの情報を正とするかを先に決めておく考え方は、別記事「店舗情報の『正本』を決める|マップ・サイト・予約サイトの不一致点検表」で整理しています。
移転・改装休業の前後でやることの順番
先にプロフィールを触るのではなく、看板と実態が先です。公式ヘルプの条件を満たした状態を作ってから情報を更新すると、差し戻しや表示の揺れを減らせます。以下は、確認した2ページの記述から組み立てられる範囲の段取りです。
- 移転先の看板を確認する。 「Google に住所を掲載する場合、その住所に、ビジネスの名称の掲示を常設する必要があります。」(ガイドライン)を満たす状態にしておきます。
- プロフィールの権限を確認する。 自分たちのアカウントで管理できているかを先に確かめます。管理者が退職者や外部業者のままだと、移転当日に何も変えられません。権限まわりは別記事「ビジネスプロフィールの権限を前任者や業者が持っているとき|取り戻す手順」を参照してください。
- 新規作成せず、既存のプロフィールの住所を更新する。 公式ヘルプの指示どおり、既存プロフィールを更新します。同じガイドラインに「アカウントが同じか別かに関わらず、ビジネスの拠点ごとに複数のページを作成することはできません。」とも書かれています。
- 休業期間があるなら、期間に応じて設定を選ぶ。 短期なら特別営業時間、長期の休業で再開予定があるなら臨時休業のマーク。再開したら「ビジネスを再開したら、通常の営業時間を設定します。」に従って戻します。
- 店名・業種が変わる場合は、名称変更の基準に当てはまるかを確認する。 当てはまらない場合、公式ヘルプは既存プロフィールに閉業マークを付けて新しい名前で作成する扱いを示しています。
- 外部の情報を更新する。 前章の点検表で、旧住所が残っている場所を順に直します。
- 口コミへの返信を止めない。 移転や改装の時期は問い合わせが増えます。返信の担当が誰かを決めておくと、休業中の書き込みにも反応できます。
口コミ依頼を移転の告知と一緒に行う場合は、その場で書くよう要求・強要しないこと、特定の内容を含めるよう依頼しないこと、スタッフに件数を要求しないことを社内で共有しておいてください。謝礼や割引と引き換えの依頼、高評価への誘導は行いません。
よくある質問
Q. 移転先のプロフィールを先に作ってしまいました。どうなりますか。
同じビジネスのプロフィールが2つある状態は重複にあたり、公式ヘルプには「プロフィールが重複と見なされた場合、Google 検索やマップに表示されなくなります。」と記載があります。マップで統合をリクエストする方法が示されていますが、「すべての統合リクエストは審査の対象となります。」とあり、統合時は「クチコミへの返信は失われる可能性があります。」とも書かれています。削除を選ぶ場合は、コンテンツと管理者も一緒に消える点に注意してください。
Q. 改装休業中も口コミは投稿されますか。
休業中の投稿可否について、今回確認した2ページには記載がありません。確認できるのは、臨時休業のマークと、再開時に通常の営業時間を設定するという運用だけです。投稿状況が気になる場合は、休業中も返信できる体制を残しておくのが現実的な備えになります。
Q. 移転と同時に店名も変えます。プロフィールは作り直しですか。
ガイドラインは、固有名詞やサービスが変わらず業種の変更もないといった条件で、新しいプロフィールを作らずに名称を変更できる場合があるとしています。基準を満たさない場合は「既存のビジネス プロフィールを閉業としてマークを付けたうえで、新しいビジネス名でビジネス プロフィールを作成する必要があります。」とあります。どちらに当たるかは変更の内容次第なので、住所変更と名称変更を同時に行う前に切り分けておくと安全です。
Q. 移転先が、別の店も入っている建物です。同じ住所で2つプロフィールが存在してよいのですか。
公式ヘルプは、同じ住所に複数のビジネスがある場合について「名前が異なり、看板の違いがはっきりと確認できる、明確に異なるビジネス。」「Google ビジネス プロフィールへの登録資格がある。」という条件を挙げ、それぞれにプロフィールを作成できるとしています。看板が確認できる状態かどうかが判断材料になります。
Q. 閉業表示の取り消しについて、Googleに直接連絡できますか。
今回確認した2ページで「サポートにお問い合わせください」と書かれているのは、重複ステータスの再審査請求と、ビジネスの名称変更で問題が発生した場合です。閉業表示そのものについての問い合わせ手順は記載がありません。記載がない以上、電話や特定の窓口があるかのような案内はできません。
—
移転や改装は、1店舗であればこの記事の手順を紙に印刷して順に潰していけば回ります。難しくなるのは店舗数が増えたときで、どの店がいま臨時休業なのか、外部サイトの住所を直し終えたのはどこまでか、休業中に届いた口コミに誰が返したのかが、担当者の記憶に依存し始めます。
運営元の graciauto(名古屋のWEB制作会社)では、自社グループ24店舗で口コミ運用を続けており、2026年9月14日時点でGoogle口コミの累計は568件、返信率は98%です。アンケート経由の動きも記録していて、閲覧59・回答52・Googleへの遷移14という数字がありますが、母数が小さいため傾向として見ている段階です。手作業で回らなくなってきたときに、口コミの依頼と返信を仕組みにする方法は coecoco で整理しています。詳しくは https://coecoco.com/ をご覧ください。
