実測データ

アンケートからGoogle口コミまで|59人の実測ファネルと離脱点

この記事でわかること

  • 来店アンケートからGoogleの口コミ投稿画面まで、各段階で何人が進んだかの実測値(閲覧59 → 回答52 → Googleへ遷移14)
  • どの段階で何人減るのか、2つの落ち口の性質の違い
  • 母数59という小さいサンプルで「言えること」と「言えないこと」の線引き
  • 全員に同じ導線を出すという前提条件と、その理由(選別はポリシー違反になる)
  • 減り方ごとの改善の打ち手と、ツール無しで測る方法

Googleの仕様に触れる箇所は、2026年9月22日時点の公式ヘルプを開いて確認した内容です。

実測した3つの数字:閲覧59 → 回答52 → Googleへ遷移14

自社で運用している24店舗(2026年9月14日時点でGoogle口コミ累計568件・返信率98%)のうち、来店後アンケートを配っている導線で計測した数字です。閲覧59・回答52・Googleへの遷移14。これが全部です。派手な数字ではありませんが、実際に出た値をそのまま出します。

段階人数直前段階からの通過率最初(閲覧)からの通過率
アンケートページの閲覧59―100%
アンケートの回答(送信)5288.1%88.1%
Googleの口コミ投稿画面へ遷移1426.9%23.7%

各段階の定義は次のとおりです。ここを揃えないと他店と比べても意味がなくなるので、先に書いておきます。

  1. 閲覧=アンケートページが表示された回数(QRコードを読み取る、リンクを開く)
  2. 回答=アンケートの送信が完了した件数
  3. 遷移=回答後に案内しているGoogleの口コミ投稿リンクがクリックされた回数

重要なのは、3段階目が「口コミが投稿された件数」ではないことです。遷移した14人がその先で実際に投稿したかどうかは、この計測では分かりません。店側が把握できるのはリンクのクリックまでで、そこから先はGoogle側の画面です。したがって「14件の口コミが増えた」とは言えません。

どこで減るか:性質の違う2つの落ち口

減り方は2か所ありますが、意味がまったく違います。閲覧→回答は7人(11.9%)の離脱で、これは設計で詰められる範囲。回答→遷移は38人(73.1%)の離脱で、こちらは「別サービスへ移動する」段差そのものです。

落ち口1:閲覧→回答(59→52、7人が離脱)

ページを開いた人の約9割が最後まで答えています。開いた時点で答える気がある人が大半で、ここは大きな詰まりではありません。逆に言えば、この段階を1〜2%改善しても全体の結果はほとんど動きません。設問数や入力の手間を削る作業は、優先度としては後ろです。

落ち口2:回答→遷移(52→14、38人が離脱)

ここが本丸です。アンケートに答えることと、Googleに口コミを書くことは、利用者から見るとまったく別の行為だからです。段差の中身を分解すると、少なくとも次のものが積み重なっています。

  • アンケートは店に向けた私信だが、口コミは公開の投稿になる(心理的な負荷が違う)
  • Googleアカウントへのログインが必要になる場合がある
  • ブラウザから別アプリへ移動する
  • 名前が公開の形で残ることへの抵抗
  • 単純に「あとで」と思って戻ってこない

このうち店側が手を入れられるのは、移動の手数と、案内する文言と、渡すタイミングくらいです。心理的な負荷そのものを消すことはできませんし、消そうとして「良い内容だけ誘導する」方向に行くと、後述のとおりポリシー違反になります。

前提条件:全員に同じ導線を出している

この59人には、満足度や回答内容による分岐を一切かけていません。アンケートに答えた人は全員、同じGoogleの案内を同じ形で見ています。これは数字を正しく読むための条件であると同時に、Googleのポリシー上の要件でもあります。

マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーには、販売者が行うことを禁止されている行為として「顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為。」と書かれています(禁止または制限されているコンテンツ – マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー)。満足度の高い人にだけGoogleのリンクを出し、低い人には出さない、という分岐はこれに該当します。

同じページには、依頼の仕方についても記載があります。「クチコミを依頼する際、販売者がユーザーにその場で評価を残したりクチコミを書いたりすることを要求または強要する行為は禁止されています。また、特定のコンテンツを含めるよう依頼することもできません。」(同ページ)。さらに、スタッフに対して「一定数のクチコミを募るよう販売者がスタッフに要求すること。」「スタッフを特定するコンテンツなど、具体的なコンテンツを含むクチコミを募るよう販売者がスタッフに要求すること。」も、禁止される例として挙げられています。

一方で許可されている行為も明記されています。「インセンティブを提供したり、評価やクチコミの内容に影響を与えようとしたりせずに、実体験に基づくコンテンツの投稿を募ったり促したりする行為。」(同ページ)。今回の導線は、この範囲に収まるように組んでいます。割引や特典と引き換えにしない、内容を指定しない、その場で書くことを求めない、全員に同じものを出す。この4つが前提条件です。

つまり、遷移率23.7%という数字は「選別をしない状態での数字」です。分岐をかければ見かけの数字は上がるかもしれませんが、それは比較対象として成立しませんし、そもそもやってはいけません。依頼の言い方そのものについては、別記事「口コミ依頼は『いつ・誰が・何と言うか』」で扱っています。

母数59の断り書き:この数字で言えること・言えないこと

59人は、統計的に何かを主張できる規模ではありません。1人増減するだけで各段階の率が1.7ポイント前後動きます。ベンチマークとして使うのではなく、「自店の同じ導線を、来月どう変えるか」の出発点としてのみ使ってください。

言えること

  • この導線では、回答までは大半が進み、Googleへの移動で大きく減る、という形をしている
  • 改善の労力は、回答フォームの最適化より「回答後の一手」に振ったほうが効きそうだ
  • 3段階を分けて記録すれば、どこを触ったかと結果を対応付けられる

言えないこと

  • 業種や地域を問わず遷移率が約24%になる、とは言えない
  • 遷移した14人が口コミを投稿した、とは言えない(前述のとおり計測できない)
  • 導線の違いによる差(紙とデジタル、渡す人、渡すタイミング)が有意である、とは言えない。今回は条件を分けていない

数字が小さいうちにやるべきなのは、率を上げにいくことより、測り方を固定することです。定義を変えながら改善しても、前月と比べられません。

改善の打ち手:段差の大きいほうから4つ

優先すべきは回答→遷移の38人です。ただしここで打てる手は「移動を楽にする」「案内の文言を整える」「渡すタイミングを変える」の3系統に限られ、内容や評価に踏み込む手は使えません。

  1. 回答完了から1タップで着地させる。回答送信後の画面から、Googleの口コミ投稿画面まで何手かかるかを実機で数えます。案内が文章の途中に埋もれていたり、いったんトップページを経由していたりすると、それだけで落ちます。リンクの取り方と、多店舗で配るときの取り違え防止は別記事「口コミ用QRコードを多店舗で配るとき」にまとめています。
  2. 渡すタイミングを1つに決めて固定する。会計時なのか、退店後の連絡なのか、翌日なのか。今回の59人は条件を分けていないため比較できていません。次の期間は1つに固定し、その次の期間で別の1つに固定する。同時に2つ変えないのが原則です。
  3. 案内の文言から、指示語と条件を抜く。「よかったら星をつけて」「スタッフの名前を書いて」といった指定は、前掲のとおり依頼時に禁止されています。書くのは「体験したことをそのまま書いてもらえると助かります」程度に留め、書くかどうか・何を書くかは相手に委ねます。その場で書くよう促す表現も外します。
  4. 母数そのものを増やす。遷移率が24%前後で動かないなら、閲覧59を118にするほうが確実です。渡し漏れをなくす(全員に同じものを渡す)だけで母数は動きます。スタッフに件数目標を課すのはポリシー上の禁止例に当たるため、目標にするのは「渡した数」ではなく「渡す機会を全員に作れているか」という運用の形にします。

閲覧→回答の7人については、設問を減らす・所要時間を先に明示する程度で十分です。ここに時間をかけても全体は動きません。

計測を手作業で回す:最低限の3列

ツールが無くても、この3段階は記録できます。必要なのは、閲覧・回答・遷移を別々の数として取れるようにしておくことだけです。表計算ソフト1枚で足ります。

列中身取り方
期間週または月途中で変えない
閲覧ページ表示数フォームやページ側の集計値
回答送信完了数フォームの回答件数
遷移Googleリンクのクリック数短縮リンク等のクリック計測
変更点その期間に変えたこと1期間につき1つだけ書く

「変更点」の列が肝です。数字だけ並べても、何をしたから動いたのかが後から分かりません。1期間に1つしか変えないと決めておくと、母数が小さくても判断材料になります。なお、口コミの件数そのものはビジネスプロフィール側で数えられますが、遷移した人と投稿した人を突き合わせる手段はありません。件数は件数、遷移は遷移として別々に記録してください。

よくある質問

Q. 遷移率24%は低いのでしょうか。

A. 比較対象になる公開データを持っていないため、高い低いの判断はできません。分かっているのは、自社の24店舗の導線ではこの値だったということだけです。母数59では業種や条件が変わればすぐ動く数字なので、他店の値と比べるより自店の前月と比べてください。

Q. アンケートの満足度が高い人にだけGoogleの案内を出せば効率が上がりませんか。

A. それはできません。マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーでは、販売者が「顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為。」を行うことが禁止されています。全員に同じ導線を出すのが前提です。

Q. 遷移した14人が実際に投稿したかどうかは確認できますか。

A. この計測では分かりません。店側が記録できるのはリンクがクリックされたところまでで、その先で投稿されたか、途中でやめたかは把握できません。口コミの件数はビジネスプロフィール側の数字として、別に数えてください。

Q. スタッフごとに口コミの獲得件数を目標として設定してもよいですか。

A. 同ポリシーでは、禁止される例として「一定数のクチコミを募るよう販売者がスタッフに要求すること。」が挙げられています。件数を課す形は避け、案内を渡す機会を全員に均等に作れているかという運用側の指標に置き換えてください。

Q. 口コミが増えても表示されていないように見えます。

A. 表示や反映の問題は導線とは別の原因で起きます。別記事「Google口コミが表示されない・反映されないとき」「Google口コミが消えた・件数が減ったとき」で、店側から確認できる範囲を整理しています。

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ここまでの内容は、表計算ソフト1枚と短縮リンクがあれば、ツール無しで実行できます。1〜2店舗なら、月末に3つの数字を転記するだけで十分回ります。

店舗数が増えると、この転記が店舗数の分だけ発生し、リンクの取り違えや記録漏れが混ざり始めます。そこまで来たら仕組みにするタイミングです。coecocoは、口コミの依頼導線と返信の運用をまとめて回すための仕組みで、運営元は名古屋のWEB制作会社 graciauto です。多店舗での進め方は口コミ運用サービスのページをご覧ください。

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