口コミ運用の実務

口コミ依頼は「いつ・誰が・何と言うか」|依頼あり店となし店の実測差

この記事でわかること

  • 口コミをお願いしている店と、していない店の実測差
  • 依頼のタイミング(会計時と、来店後のメッセージ)
  • 全員に同じ言い方をする理由と、依頼の例文
  • Googleのポリシーが禁じている依頼の仕方
  • スタッフが無理なく続けられる型

Googleのポリシーとヘルプは、2026年9月20日時点の原文を確認して書いています。Googleの表記は「クチコミ」ですが、本文では引用と機能名を除き「口コミ」と書きます。

口コミをお願いしている店と、していない店の差

自社で運用支援する美容サロンでは、来店後のお礼メッセージで口コミをお願いする工夫をしている15店舗が1店あたり月1.56件、していない7店舗が月0.18件でした。差は8.7倍です(2026年9月16日集計)。ただし、これは相関であって、依頼が原因だと証明する数字ではありません。

比較に使えた22店舗を2群に分けた結果です。

指標依頼あり(15店舗)依頼なし(7店舗)
1店あたり月間件数1.56件0.18件
平均評価★4.61★4.10
★3以下の割合7%26%

ここでの「依頼」は、来店後のお礼メッセージに口コミ投稿のリンクを添えることを指します。評価の高低にかかわらず、全員に同じ文面を送っています。

この表を読むときの注意点は3つあります。

  • 依頼なしの側は7店舗しかありません。少数の店の事情で数字が動きます
  • 件数が少ない店は、1件の低評価で平均評価が大きく動きます。平均★と★3以下の割合の差は、「依頼すると評価が上がる」ではなく、「件数が少ないと平均が不安定になる」と読むのが安全です
  • 依頼している店としていない店では、運営体制や開業時期など、依頼以外の条件も違います

Googleのポリシーが禁じている依頼の仕方

インセンティブを出さず、評価や内容に影響を与えようとしない形で口コミを依頼することは、ポリシーで許可されています。禁じられているのは、対価を出すこと、肯定的な口コミだけを選んで募ること、その場で書かせること、内容を指定すること、スタッフに件数を要求することです。言い方を考える前に、この線を原文で押さえます。

根拠は、マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー禁止または制限されているコンテンツの「評価の操作」です。販売者に禁止されている行為として、次の3つが挙がっています。

クチコミの投稿や否定的なクチコミの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為。

顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為。

クチコミを依頼する際、販売者がユーザーにその場で評価を残したりクチコミを書いたりすることを要求または強要する行為は禁止されています。また、特定のコンテンツを含めるよう依頼することもできません。

3つ目には、該当する例が2つ付いています。

一定数のクチコミを募るよう販売者がスタッフに要求すること。

スタッフを特定するコンテンツなど、具体的なコンテンツを含むクチコミを募るよう販売者がスタッフに要求すること。

一方、許可される行為として書かれているのは次の1文です。

インセンティブを提供したり、評価やクチコミの内容に影響を与えようとしたりせずに、実体験に基づくコンテンツの投稿を募ったり促したりする行為。

これを店頭の言葉に置き換えると、避けるべき言い方が見えてきます。

避ける言い方・運用対応するポリシーの記述
「書いてくれたら次回割引します」投稿と引き換えのインセンティブ提供
「★5でお願いします」「高評価をいただけると助かります」許可される依頼の条件(評価やクチコミの内容に影響を与えようとしない)から外れる。肯定的なクチコミを選択的に募る行為にもあたりうる
満足していそうなお客様にだけ声をかける肯定的なクチコミを選択的に募る行為
「いまこの場で書いていただけますか」その場で書くことの要求・強要
「担当の名前を入れてください」「カラーのことを書いてください」特定のコンテンツを含める依頼
スタッフに「月に何件」と件数を課す一定数のクチコミを募るようスタッフに要求すること

同じ「評価の操作」には、「場所の評価を操作しようとする試みを示唆する、異常な量またはパターンのクチコミ投稿が見られるコンテンツ」も挙がっています。

個々の言い回しについて、Googleが1つずつ可否を示しているわけではありません。この記事でも、ここに挙げていない言い方が問題ないかどうかは判断しません。迷う言い方は使わず、評価にも内容にも触れない文面に寄せるのが確実です。

いつ依頼するか

タイミングは、会計時にリンクやQRコードを渡す方法と、来店後のメッセージにリンクを添える方法の2つです。どちらの場合も、書くかどうか、いつ書くかはお客様に任せます。

Googleビジネスプロフィール ヘルプのリンクまたは QR コードを作成してクチコミをリクエストするには、リンクやQRコードの使い方として、次の4つが挙がっています。

  • 領収書に含める
  • 感謝メールに含める
  • チャットでのやりとりの最後に追加する
  • QR コードを印刷して店舗に掲示する

リンクとQRコードは、同じヘルプの手順のとおり、ビジネスプロフィールの「クチコミを読む」から「クチコミを増やす」を選ぶと取得できます。QRコードは、現在パソコンのブラウザでしか生成できません(2026年9月20日時点)。

会計時

会計時は、その場で書かせません。QRコードの付いたカードを渡す、または掲示の場所を伝えるだけにします。スタッフがお客様のスマートフォンの画面を見守る、書き終わるまで待つ、といった形は取りません。ポリシーが「その場で」書くことの要求・強要を禁じているためです。

来店後のメッセージ

来店後のお礼メッセージにリンクを添える方法は、お客様が自分の都合のよい時間に書けます。会計時の声かけと違い、スタッフの性格や忙しさで依頼したりしなかったりが起きにくいのも利点です。

誰が、何と言うか

依頼は、全員に、同じ文面で行います。評価にも内容にも触れません。

相手を選んで依頼すると、ポリシーの「肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為」との区別がつきにくくなります。スタッフごとに言い方が違うと、誰かが評価や内容に触れる言い方をしてしまう余地も残ります。文面を1つに決めて、全員がそれだけを使う形にします。

会計時の例です。

  • 「こちらからGoogleの口コミを書いていただけます。よろしければ、お時間のあるときにお願いします」

来店後メッセージの例です。

  • 「本日はご来店ありがとうございました。よろしければ、Googleに口コミをお寄せください。(リンク)」

どちらも、評価、内容、期限、見返りに触れていません。足したくなる言葉があっても、足さないのがこの文面の要点です。

「誰が」については、来店後メッセージは店として送り、会計時は会計を担当した人がカードを渡す、と決めておけば足ります。依頼が上手なスタッフに任せる、という分担はしません。人によって件数に差が出ると、件数を競う空気が生まれます。

スタッフが続けられる型

続けるコツは、依頼を「スタッフの頑張り」にせず、全員に同じことをする作業の一部にすることです。件数の目標はスタッフに課しません。ポリシーが、一定数の口コミを募るようスタッフに要求することを禁じているためです。

続けやすい型の例は次のとおりです。運用上の提案です。

  1. 依頼の文面を1つに決め、紙に書いてレジ横に置く。アレンジしない
  2. QRコードのカードを、会計時に全員へ渡す。渡す相手を選ばない
  3. 来店後のお礼メッセージにリンクを添える。これも全員に同じ文面で送る
  4. 見る数字は店全体の月間件数と返信の状況だけにする。スタッフ別の件数は数えない
  5. 口コミが付いたら、内容にかかわらず朝礼などで共有する。低評価も同じ場で共有する

4つ目が重要です。スタッフ別の件数を貼り出すと、事実上の件数ノルマになります。依頼の仕組みが回っているかどうかは、「カードを全員に渡しているか」「メッセージを全員に送っているか」という作業の実施で確認します。

依頼を始めると、本文のない★だけの口コミも一定数届きます。★だけの口コミにも、本文のある口コミと同じように返信して構いません。

よくある質問

口コミをお願いすること自体は、Googleの規約違反になりませんか

依頼の仕方によります。ポリシーには、インセンティブを提供したり、評価や内容に影響を与えようとしたりせずに、実体験に基づく投稿を募ったり促したりする行為は許可される、と書かれています(2026年9月20日時点)。禁じられているのは、依頼の仕方です。

会計のときに、その場で書いてもらってもよいですか

ポリシーは、その場で評価を残したり口コミを書いたりすることを要求または強要する行為を禁じています。会計時は、リンクやQRコードを渡すだけにして、書くかどうか、いつ書くかはお客様に任せます。

「担当者の名前を書いてください」とお願いしてよいですか

ポリシーは、特定のコンテンツを含めるよう依頼することを禁じています。スタッフを特定するコンテンツを含む口コミを募るようスタッフに要求することも、該当する例として挙がっています。内容には触れずに依頼します。

スタッフに口コミ件数の目標を持たせてよいですか

一定数の口コミを募るよう販売者がスタッフに要求することは、ポリシーで該当例として明記されています。この記事では、スタッフ別の件数を数えない運用をすすめています。

依頼すれば件数は8.7倍になりますか

そうは言えません。依頼している15店舗と、していない7店舗に8.7倍の差があった、という相関です。依頼以外の条件も違い、依頼していない側は7店舗しかありません。

店舗数が増えて手作業で回らなくなったら

ここまでの依頼は、カードと決まった文面があれば、手作業で続けられます。店舗数が増えると、全店で全員に同じ文面のメッセージを送り続けること、送り漏れを確認することが難しくなります。その段階に来たら、来店後のメッセージを仕組みにすることを検討してください。

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