ChatGPTやGoogleのAIが自店の情報を間違えるとき|出どころの特定と直す順番
この記事でわかること
- AIが店舗情報をどこから拾うのか(公式文書で言える範囲と、言えない範囲)
- 誤った情報の出どころを探す手順
- 直す順番(運用上の提案)
- 直しても回答が変わらないときにできること
GoogleとOpenAIの仕様に触れる箇所は、2026年9月20日時点の公式文書を開いて確認した内容です。
AIはどこから店舗情報を拾うのか
公式文書で確認できるのは、「AIはウェブ上に公開されている情報をもとに回答を組み立てる」というところまでです。特定の店の営業時間をどのサイトから取ったのか、という個別の経路は公開されていません。店側にできるのは、ウェブ上の自店の情報を正しい値に揃えることです。
Google(AIによる概要・AIモード)
Google検索セントラルのAI 機能とウェブサイトに、サイト運営者向けの説明があります。このページで確認できた内容は次のとおりです。
- 「AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。」と書かれている
- AI機能が、関連する複数のサブトピックやデータソースに対して検索を実行し、回答を組み立てる「クエリ ファンアウト」という手法を使う場合がある
- ページがサポートリンクとして表示されるには、インデックスに登録され、Google検索でスニペットが表示される状態である必要がある
- 従来のSEOのベストプラクティスとして、ビジネス プロフィールの情報を最新にすること、構造化データをページに表示されるテキストと一致させることが挙げられている
つまりGoogleの場合、AI機能に表示されるための専用の要件は示されていません。通常の検索と同じSEOの基本が、そのまま有効だとされています。ビジネス プロフィールがAIの回答の情報源だと書かれているわけではありません。
OpenAI(ChatGPT)
OpenAIの開発者向け文書Overview of OpenAI Crawlers(platform.openai.com/docs/bots から転送されます)には、ウェブを巡回するクローラの役割が書かれています。
| クローラ | 公式文書の説明(要旨) |
|---|---|
| OAI-SearchBot | ChatGPTの検索機能の検索結果にウェブサイトを表示するために使う |
| ChatGPT-User | ユーザーがChatGPTに質問したとき、その操作の結果としてページを訪問する場合がある。自動的な巡回には使わない |
| GPTBot | 生成AIの基盤モデルの学習に使われる可能性のあるコンテンツを巡回する |
同じ文書には、OAI-SearchBotを拒否したサイトはChatGPTの検索の回答に表示されない(ナビゲーション用のリンクとしては表示されることがある)、とも書かれています。一方で、店舗の住所や営業時間をどこから取得しているか、誤った店舗情報をどう訂正するかについては、この文書に記載がありません。
Geminiなど、そのほかのAI
Geminiアプリが店舗情報をどこから取得するかを説明した公式文書は、今回は確認できていません。この記事では、取得元を断定しません。
公式に言えること・言えないこと
| 項目 | 公式文書での扱い |
|---|---|
| GoogleのAI機能でも、通常の検索と同じSEOのベストプラクティスが有効である | 書かれている |
| ビジネス プロフィールを最新に保つことが挙げられている | 書かれている |
| ChatGPTの検索機能はクローラでウェブサイトを巡回する | 書かれている |
| 個別の回答が、どのサイトのどの記述を元にしたか | 公開されていない |
| 店側が情報を直したら、AIの回答がいつ変わるか | 公式には明記されていない |
誤りの出どころを探す
出どころ探しは、AIの回答に付いているリンクを見ることから始めます。リンクがない場合は、誤っている値そのものをウェブで検索します。古い電話番号や旧住所は、それ自体が検索語になります。
手順は次のとおりです。
- AIの回答を記録する。日付、使ったAI、質問文、回答の全文、表示された出典リンクを残す
- 出典リンクがあれば、1つずつ開いて、誤った値が書かれていないか確認する
- 誤っている値(旧電話番号、旧住所、古い営業時間の表記)をそのまま検索し、その値が残っているページを洗い出す
- 店名と電話番号、店名と地域名でも検索し、自分で作った覚えのない掲載先を拾う
- 見つかった掲載先を、台帳の「点検先」に足す
誤った値が残りやすい場所は、経験上、次のようなところです。
- 開業時に登録したまま更新していない予約サイトや地域ポータル
- 移転・リニューアル前の旧サイト。ドメインが生きていて、旧住所のまま公開されている
- 自社サイトの構造化データ。画面の表示だけ直して、機械向けの値が古いまま残っている
- SNSのプロフィール欄と、固定表示にしている古い投稿
- 過去のブログ記事に書いた「営業時間変更のお知らせ」。新しいお知らせと古いお知らせが両方残っている
どの値が正しいのかを毎回調べ直さないために、先に正本を決めておきます。決め方と点検表は店舗情報の「正本」を決める|マップ・サイト・予約サイトの不一致点検表にまとめています。
なお、誤りの原因が外部のサイトではなく、Googleビジネスプロフィールの値そのものが書き換わっていた、という場合もあります。確認と戻し方はGoogleマップの営業時間が勝手に変わる原因|「Googleによる更新」の直し方を参照してください。
直す順番
直す順番は、Googleビジネスプロフィール、自社サイトと構造化データ、予約サイト・ポータル、SNSの順をすすめます。これはGoogleやOpenAIが定めた順番ではなく、運用上の提案です。自分で直せて、お客様が来店直前に見る場所から先に手を付ける、という考え方です。
- 台帳の値を確認する。何が正しいのかを先に確定させる
- Googleビジネスプロフィールを確認し、違っていれば直す。Googleの公式文書が、最新に保つ対象として名前を挙げている場所です
- 自社サイトの店舗ページと構造化データを直す。表示されるテキストと構造化データの値を一致させる
- 予約サイト・地域ポータルを直す。管理画面で直せないものは、媒体の問い合わせ窓口に修正を依頼する
- SNSのプロフィールを直す。古いお知らせ投稿は、削除するか、冒頭に「この情報は古い」と追記する
- 旧サイトが残っている場合は、閉鎖するか、新サイトへ転送する
自分で管理していない掲載先は、修正を依頼しても反映まで日数がかかります。依頼した日と依頼先を台帳に残し、次の点検日に再確認します。
OpenAIのクローラについては、自社サイトのrobots.txtでOAI-SearchBotを拒否していないかも確認しておきます。拒否していると、公式文書のとおり、ChatGPTの検索の回答に自社サイトが表示されません(ナビゲーション用のリンクとして出ることはある、とされています)。正しい情報を載せた自社サイトが参照先の候補から外れることになります。設定が分からない場合は、制作担当に「robots.txtでOAI-SearchBotを拒否していないか」と聞けば足ります。
直しても回答が変わらない場合
情報を直しても、AIの回答がいつ変わるかは分かりません。変わる時期を示した公式の記述は、今回確認した範囲にはありませんでした。店側にできるのは、誤りの元を減らすこと、フィードバックを送ること、期間を空けて再確認することです。
GoogleのAIによる概要には、フィードバックの手段があります。Google検索ヘルプのGoogle 検索の AI による概要で、情報をすばやく簡単に見つけるには、「AI の回答には間違いが含まれている場合があります。」と書かれています。概要の下部にある低評価アイコンから「問題を報告」を選び、内容を書いて送信できます。ただし、送ったフィードバックによって回答が修正される、とは書かれていません。
ChatGPTについては、店舗情報の訂正を受け付ける専用の窓口を、今回確認した公式文書では見つけられませんでした。
再確認の進め方は次のとおりです。
- 最初に記録した質問文と同じ文で、2〜4週間おきに聞き直す
- 回答が変わったか、出典リンクが変わったかを記録する
- 新しい出典に誤りがあれば、その掲載先を点検先に足して直す
AIの回答は、同じ質問でも毎回同じになるとは限りません。1回の回答で一喜一憂せず、ウェブ上の情報を揃える作業を続けるのが、店側にできる確実な対応です。
よくある質問
AIに直接「この情報は間違いだ」と伝えれば直りますか
その会話の中で訂正を伝えても、ほかの利用者への回答が変わるかどうかは、公式には明記されていません。GoogleのAIによる概要には、低評価アイコンから問題を報告する手段があります。こちらも、報告で回答が修正されるとは書かれていません。
AI向けに特別なファイルやタグを用意する必要はありますか
Googleは、AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件はなく、特別な最適化も必要ない、と書いています(2026年9月20日時点)。新しいファイルやマークアップを作る必要もない、とされています。先にやることは、既存の掲載先の情報を揃えることです。
直してからどのくらいで回答が変わりますか
公式には明記されていません。OpenAIの文書には、robots.txtを更新してから検索結果に反映されるまで約24時間かかる場合がある、という記述がありますが、これはクローラの許可・拒否の設定に関するものです。店舗情報の修正が回答に反映される時期を示したものではありません。
誤りの出どころが見つからないときは
誤った値で検索しても何も出てこない場合、すでに消えたページの情報が元になっている可能性があります。この場合、店側で元を直すことはできません。いま公開されている掲載先を正しい値で揃え、期間を空けて再確認します。
自社サイトがなくても直せますか
Googleビジネスプロフィールと予約サイト、SNSを揃えるところまではできます。ただ、自分だけが書き換えられる掲載先が1つもない状態になります。店舗情報を載せた簡単なページでも、正しい値を自分で公開できる場所を持っておくことをすすめます。
店舗数が増えて点検が回らなくなったら
ここまでの作業は、台帳1枚と定期的な検索で、手作業で回せます。店舗数が増えると、点検先は店舗数の掛け算で増え、AIへの質問と記録も店舗ごとに必要になります。1人の目で追いきれなくなった段階で、口コミの確認や告知の投稿など、全店で繰り返している作業から仕組みにすることを検討してください。
